我々は「老化」を避けて通ることはできません.高齢化社会の到来により,「老化」に伴う疾患の予防や治療は,ますます重要となるはずです.

 

白内障・加齢黄斑変性症・角膜ジストロフィーなど,「老化」あるいは「長い時間の経過」が発症に深く関わる疾患があります.これらの疾患においては「何か異常な蛋白質が蓄積する」ことが重要であります.では何がどのようにして蓄積しているのでしょうか?

 

私は,「蛋白質が非酵素的に翻訳後修飾を受ける」ことが,異常凝集の引き金となると考えています.特に蛋白糖化最終産物(AGE)や,生体には本来存在しないはずのD-アミノ酸の形成が,蛋白質の異常凝集のキーステップであると信じています.

 

さらに「蛋白質の異常凝集」を制御することにより,様々な疾患の予防・治療ができると考えています.

 

患者さんの眼疾患を蛋白質レベルで捉え,蛋白質レベルでの治療を行うことで眼疾患の治療を行う,そのような眼科医でありたいと思います.